「鰻」「鯉」「鼈」
四方の方角を守る四神にあやかり、
食の栄養、効能を踏まえて鰻・鯉・すっぽん料理をお届けします。
ひつまぶしのお話
ひつまぶしとは小ぶりなおひつに入れた飯に乗せてご提供する鰻料理です。
明治の中頃、鰻の蒲焼の出前が多く、大勢で取り分けられるように鰻を細かく切り、運ぶ際に食器が割れないようにおひつを用いて提供したのが始まりと言われております。ひつまぶしの美味しい召し上がり方をご紹介します。
一、ご飯の上に刻んだ鰻を載せたままお出し致しますので、これを十の形に切り、四分割になさって下さい。
二、最初は四分割の一杯を茶碗に取り、そのままお召し上がり下さい。
三、次はおかわりの様に二杯目を取り、薬味を載せてお召し上がり頂き、味の変化をお楽しみ下さい。
四、三杯目はだし汁をかけ、さっぱりとお茶漬けのようにお召し上がり下さい。
五、最後は二~四のうち最も気に入った食べ方でお召し上がり下さい。
【かのうや名物 ひつまぶし】
鯉のお話
薬用魚とも呼ばれる栄養豊富な鯉。
中国最古の薬物書「神農本草経」にもその効用が記載されています。
良質のタンパク質、ビタミンB1、B2、E、Aが多く含まれており、カルシウム、リン、鉄分も多く栄養価的にも申し分のない魚です。
鯉を食べると母乳の出が良くなるというのは周知の事ですが、婦人病、肝臓病の人にも欠かせぬ食べ物と言われます。
また、糖尿病や皮膚病の治療にも良く、その他セキやぜんそくを鎮める効果があり、痔やリウマチにも良く効くことが解ってきました。
更に、疲労回復、動悸、息切れに効く強壮効果もあります。
鯉はその昔、鯛と並ぶ高級魚でした。
しかし管理や調理の難しい魚ですから、いつしか扱う店は減り、皆様には馴染みのないものかもしれません。
良い管理の下調理された鯉は、爽やかで美味しい味がします。
初めての方にも、川魚好きの方にも喜んで頂きたい。
かのうやが自信を持って、本物の鯉の味をご紹介致します。
鼈のお話
「月と鼈」という言葉があります。
これは江戸時代後期の随筆「嬉遊笑覧」に出てまいります。
鼈の甲羅が丸いことから異名を丸(まる)と言い、一方空に浮かぶ満月も同様に丸い。であるのに、空に浮かぶ月の美しさに比べたら、鼈の丸は大違いでまるで比較になりません。
だから「月と鼈」とは、少しは似ていても、実際には甚だ異なっている様を云うとしています。
鼈は、その姿かたちを言いますと月に到底及びませんが、言わずと知れた高級食材であり、縁起の良い亀の一種で、見事に滋養強壮の食材の代表格です。
内部は水分を多く含みカロリーは低め、ビタミンAとB1が多く含まれコラーゲンも豊富で美容効果の高いものです。
鍋は丸鍋、雑炊は丸雑炊と言います。
月は望んでも食べられませんが、美容と健康を願って鼈を是非、お召し上がり下さい。
※四方拝とは・・・天皇が天地四方の神霊や父母の天皇陵などの方向を拝し、
その年の国家・国民の安康、豊作などを祈る宮中行司です。かのうやが、
お氷川様に訪れる皆様の安康が叶いますよう
想いをこめて
”願い膳”をご用意致しました。
四方の方角を守る四神(清流・朱雀・白虎・玄武)にあやかり、
鰻・鯉・すっぽんを氷川三神料理と致しました。
食の栄養、効能を踏まえてそれぞれの願い膳をお届け致します。